戦争を考える季節


 夏だということで,巷では戦争関係の話題もちらほらと出ています.今日は原爆の日.なんともねぇ.昔,僕は完全な左よりの人間だと思っていました.絶対反戦,自衛隊も解体しないとだめだなんてね.でも,最近はそうでもありません.学生運動家が社会人になってころっと体制側の言いなりになるっていうような変化でもないんですが.
 
 なんというか,僕はいらだっています.戦後50年以上経ってもまだ,過去の歴史の総括ができていない.本当にどうだったのか,という結論付けがなされていないから,僕ら若い世代はどう捕らえていいのか分からない.なんとなく,日本は悪いことをしたんだろうなぁと言う認識で,なんとなく負い目を感じている.そして,国旗日の丸や国歌君が代に対しての感情的な反発がおこってしまう.
 確かに,旧日本は侵略的な戦争をし,それが日の丸や君が代とリンクして,反発的な感情を招いていることは否めない.でも,本来国歌とか国旗というものは,自分の国を誇らしく思う象徴的なもので,そんな負い目を感じるべきものではないと思う.W杯を戦った日本の選手のユニホームにも日の丸はあったし,選手入場のあとには国歌の演奏があった.

 こんなことを言うと,すぐに全体主義だとかナショナリズムだとか言われるかもしれないけど,そういう低次元な話ではなくて,これからますますボーダレスな社会になっていくなかで,自分の民族や,自分の国の歴史というアイデンティティーをしっかり持っていないと,とてもやっていけないと思う.しっかり軸を持たない人間が,他の世界の価値観ばかりを取り入れることほどばかげたことはない.
 最近の,あの戦争に関する評価というのは,完全に自虐的な評価か,あの戦争は悪くなかったという完全擁護の立場に2極化している.これではいつまでたってもらちがあかない.

 世界の様々な国の中で,これだけ自分の国の旗や歌に自信を持っていないのは日本ぐらいじゃないのか.オリンピックやワールドカップで純粋に日本を応援する.そんな気持ちが一番大事なんじゃないのか?せめて自分の子供や孫の世代には,自分の国をもっと誇りに思えるようにしてやりたい.

 そのためには,やっぱり戦争を体験した世代がもっと語らないとだめだ.よかったことも悪かったこともすべてを赤裸々に話さないとだめだ.あなたたちに残された時間はもうそんなにないんだから.この時期を逃すと永遠に日本は立ち直れなくなってしまう.

 



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