理想の食卓


 今日の朝日新聞に理想の朝食に関する記事が載っていた.小学生の子に理想の朝食と現実の朝食の姿を絵に描かせたところ,理想の朝食像には家族がそろって会話をしながら食べている様子が多かったそうだ.そして,現実の方は一人で食べている.その横では母親が忙しそうに洗濯物をしている.会話は無い.そして,なにより父親が描かれていないという.

 なかなかぐっと来る記事だった.最近の若者はすぐ切れるとか,成人式も荒れるとか,学級崩壊だとか問題が多いが,こんなところにもう子供たちのSOSのサインは出ている.ほんとによく見てるし,敏感に感じてるものなんだね.現実の食卓像に父親がいない.こたえたね.僕ももういい年だし,いずれは父親になるだろうから.で,僕は絶対に朝食はみんなで取る.そんな父親がいないなんて言わせない.と,自信を持っていえない.あぁ,そうなっちゃうのかなぁって思ってしまう.だから余計にこたえた.

 不景気だ何だとか言って人はほんとに余裕を無くしてしまった.子供は親の精一杯の愛情を待ち望んでいるのに.でも,親はそれどころじゃないのかなぁ.生きていくのが精一杯で.昔は家におじいちゃんやおばあちゃんや,兄弟姉妹がいた.だから,親が忙しくても誰かが代わりをして役割を分散させることができた.でも,今の核家族ではそうもいかない.父親が父親の役割のすべてを,母親が母親の役割のすべてを請け負わなくてはならない.
 でも,父親は仕事で精一杯,母親は家事や家計のやりくりで精一杯.地域コミュニティによる役割分散もできない.

 だから,今の親は大変なのよね.昔の親はすごかったんじゃなくてみんなで「父親」,「母親」っていうものの役割を分担して演じればよかった.

 すぐ切れたり,20才になっても大人になり切れなかったり,学級崩壊しちゃうのもすべては人との交わりを求めてるのが根底にあるんじゃないのかなぁ.
 どうしたらいいんだろう.だからって親と同居するってのもいろいろ難しいだろうし.

 家族って難しいね.せめて自分の生き方っていうものだけは誇りに思えるようにしたいな.結局は子供は親のそういうところを一番敏感に感じ取るだろうから.

 



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