テレビショッピング 


 巷では,テレビショッピングが華やかでございます.夜中に限らず,昼間でもさまざまなテレビショッピングの番組が流れています.ああいう番組に出るようになったら,芸能人として危機だとも言われますが.

 僕は,意外にも(意外でない?)単純なほうで,ああいう実演系の番組は見入ってしまいます.あの実演する人の鮮やかな手つきには,いつもながら感心しています.そう,そしてアメリカ系の番組では紹介する人が決まってマッチョだってことも気になります.あんなにマッチョな人が言うんだから間違いない,と説得させられるのでしょうか.

 また,「まったく力をいれずにこんなにすぐ汚れが落ちます!」といいながら,明らかに全力で汚れをふき取っている人や,「こんなに簡単にジュースが搾れます!」といいながら,搾る手がけいれんするほど力を入れている人.見る者をあきさせません.そんなに汚れが簡単に落ちたり,ジュースが搾れるのはあんたが手馴れてるからだよ,とつっこみを入れつつも「欲しい!」という衝動にかられます.

 しかし,僕が気になるのはそんなことではありません.僕が気になるのは,いつもいつも登場する,“長年の汚れが染み付いた換気扇やカーテン”,“塗装のはげた車“,“長い間ほったらかしにしてカビの生えた革製品”なんです.あれはいったいどうやって用意してるんやろうか.毎回毎回きれいにしているのに,どこからそういった“長年”酷使されたものを持ってくるのでしょうか?気になって仕方がありません.

 やっぱり,人工的にそういった状態を作り出しているのでしょうか.それならその商品の威力を信じることはできません.見た目が汚いだけで,実はとっても落ちやすい人工的な汚れだ,と思ってしまいます.いつも思うのは,例えば商品が洗剤であれば,「うちの換気扇でやってくれー!!俺の部屋のカーテンでやってくれ!!」ということです.

 実際,僕はアメリカにホームステイした際,衣類圧縮袋を持っていきました.そして胸をおどらせアメリカの地で,衣類を圧縮しようと試みたのですが,ぺッたんこに圧縮はできず,どう見ても衣類が型崩れしそうだったので断念した経緯があります.

 それと,もうひとつ気になるのが,値段.洗剤の宣伝で言えば,「これだけセットが付いてお値段7800円!」とか言われて,「おぅ,あれだけいっぱいセットがついててお買い得!」と,一瞬思うのですが,よく考えれば洗剤で7800円て高いわ.ぜんぜんお買い得じゃない!確かにイオンの力やなんやらで能書きはすごいけど,実際に生で威力を試したわけでもなく,そういうものに,それも洗剤に数千円もの投資をするのはすごいリスクを伴うと思いませんか?“森久美子のヘルシー料理”,“加山雄三愛用の白髪染め”くらい信用できません.

 それでも僕は日夜テレビショッピングを見てしまうのです.絶対にサブリミナル効果を使っているに違いない.くやしい.最近僕が欲しいと思っているのは,水玉のできない,雨が降るほどにきれいになる車用のワックスです.フリーダイヤルの電話番号を書き留める段階まではいきましたが,さすがにそこで躊躇しています.

 



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