道東・根室編


 最北端の地に別れを告げ,急行サロベツに乗って旭川に戻ってきました.うーん,いい旅だった.二日ぶりの旭川は暑い!やっぱり暑い.どういうこっちゃ.ほんとこの年の北海道は異常でした.30度超えてます.それを考えると,やっぱり北の地は涼しかった.って,旭川も充分北のはずなんやけど.
 時間は夕方になっていたけど,まだまだ蒸し暑い.この日の予定は夜から寝台急行に乗って網走に向かう.それまでは非常に暇だったので,友達と旭川の街を散策.汗ダクダク.
 それにしても北海道の都市はわかりやすい.駅前に大きな道路が一本どーんと走っていてそれに沿って街は栄えている.碁盤の目状だ.

 涼むためにその辺のデパートに入る.いろんな店を見て回ると閉店セールをやっているところがあったので,そこで小さなナップサックを買う.1000円くらい.安かった.衝動買い.が,意外とこいつは重宝することになる.この後の海外旅行なんかでも大活躍することになるのだ.まさしく運命の出会い.
 夜は旭川ラーメンに再度挑戦.今度はいろいろ探しておいしいと噂の店に.非常に腹が減ってたのもあるけど,うまかった.うまかったよぉ.しかしながら暑い.汗ダクダク(しつこい?).その勢いで今度は旭川地ビール館へ.前にもいったことがあったんやけど,そこのウェイトレスのお姉さんが可愛くて一目惚れした経験があったので,その人との再会を期待しながら2年ぶりの店内へ・・・のはずが,すでに営業終了.がーん.そんなんばっかり.再会どころかビールも飲めず.むなしく駅へ戻るのであった.

 まあいい.気を取り直して.今日は寝台急行に乗る日!(くれぐれもオタクじゃありません.少しうれしいだけです.)寝台は初めてじゃなかったけど,北海道でははじめて.車内はさすがに旅行シーズンだけあって混んでる.っていうか満席.それも急行だから寝台ではなく普通のリクライニングシートに寝るって感じ.夜行バス状態.熱気ムンムン.
 そんなこんなで電車は走り出し,石北本線を通って網走へ.途中,遠軽で夢(?)のスイッチターンをして(訳の分からない人は無視してください)明け方に網走に無事到着.
 こう書くと,非常に簡単やけど実際はえらい長かった.しんどかった.満席でろくにシートも倒せないし旅行者ばっかりで荷物はあふれかえってるしでいつぞやの買出し列車みたい.でもよかった.
 網走の街はまだ完全に目覚めてはいなかった.いったん駅を出て駅前のコンビニに朝ごはんを買いに行く.網走訪問も2回目.なんか,失恋して昔の彼女との旅行の足跡をたどってるみたい.前回は刑務所見学,すしなどいろいろ時間を過ごしたこの地だが,今回は単なる通過点ということで勘弁してもらう.1回来ただけなのに妙に懐かしい気がするのも不思議.

 お腹もいっぱいになると,今度は釧網本線に乗り換えて釧路方面へ.途中の知床斜里で降りる.ここは初めての訪問である.この駅でまたまた友達と待ち合わせ.ほんと,都合のいいときだけ友達の車に便乗するんだから.
 無事に友達とも落ち合い,知床半島を巡ろうか思案するも,時間の関係上断念することにした.そして決まった目的地は川湯温泉と,摩周湖.これまた2回目の訪問地. 

 とりあえず目指すは川湯温泉駅.この駅は目指す価値あり.というのも,その年の青春18切符のポスターを飾ったのがこの駅の写真なのだ.いかにも旅情あふれるたたずまいに僕らは心を奪われていたのだ.
 それにしても暑い.快晴の天気.ようやく駅に到着.左がその川湯温泉駅の構内の風景.のどかでしょ?ほんと,北海道に来たぞーって感じが一気に増します.いいねぇ.やっぱ夏の北海道最高.

 一通り記念撮影が終わったところで,お約束の温泉に向かった.どっかの保養所の外風呂に入らせてもらった.なかなかきれいなところで存分に休憩.
 すると,外は突然の雨.あぁ,今から摩周湖に行くのにぃ.霧で何も見えないのか.と,不安になりながら摩周湖へ.山道をくねくねと行くうちに雨も上がり,時折摩周湖が見えるようになってきた.もうすぐだ.

 そして,ようやく山のてっぺんまできました.目指す摩周湖はすぐそこ.摩周湖はその透明度で世界的に有名.だから人間は湖のほとりにはいけない.山の上の展望台から眺めるだけ.そして,山の中にあるのですぐに霧がかかりなかなか摩周ブルーとご対面するのは至難の業.
 霧の晴れた摩周湖を見ると婚期が遅れるという噂があるほど.前回見たときは見事な晴れ.さて今回は...おぉ!やっぱり今回も見事な眺めだ!!どうですか?深い透明なブルーに白い雲が反射してなんとも幻想的です.村上龍流に言えば,「限りなく透明に近いブルー」ってとこですか.

 こりゃあ完全に婚期が遅れたな,と思ったのですがいっしょにこの摩周湖を見た女友達はこの前結婚しました.同回の中で一番乗りです.だから,このジンクスはうそであることが証明されました.
 やっぱり摩周湖を一度見てしまうと,他の湖は見劣りしてしまう.格段の美しさです.人生に一度は見るべきです.霧のかかった摩周湖も幻想的かもね.

 大満足の僕らは進路を東に取り根室へ.根室までの道は牧草地帯でなんとも北海道です.本州では決してお目にかかれない風景.日も暮れた頃に根室に到着.根室も2回目.日本最東端の町です.町中に北方領土の看板が目に付きます.それにしても根室の町は寂しい.夜の7時ごろだというのにJR根室の駅前は人気がありません.稚内のほうが断然都会.根室はほんとくらーい感じです.そこがまた旅情を誘うんやけど.
 で,僕らはやっぱり食い気.根室に来たからにはと言うことで,花咲ガニを食べに行きました.知ってますか?とげとげの付いたカニ.カニのフルコースを食べる.うまかったなぁ.旅で食べもんをケチっちゃいけません.大満足.

 そしていよいよ,今日の寝床である日本の最東端,納沙布岬へ.根室の駅前で人気が無いんだから納沙布岬はもう,まったくの人影なし.灯台の光がボーっと浮かび上がるだけ.はっきり言ってめちゃめちゃい怖いです.夜の灯台は怖い.これ鉄則.それにここは普通の岬とは違う.すぐそこは北方領土です.海上保安庁の船も走ってます.
 そんなわけで僕と友達は寝袋を広げて野宿です.この旅行では最初襟裳でユースに泊まっただけで後はすべて野宿です.金が無い.海からの風もあるし,灯台の光もあるし,波の音は聞こえるし,かなり怖いです.でも,今自分は日本で最も東で寝ている男だという,プライド(?)だけが支えでした.

 かなり風が強い.そんなこんなで熟睡なんてできない.ようやくウトウトしかけると,なんと雨が.土砂降りではないがなかなかの雨.テントを持っていたわけも無くまさしく雨ざらしです.今までの人生で一番最悪の寝床だ!とすっかりめいったところに友達のいびきの音が.おーい熟睡かーい!!さすが野生児.完敗です.

 そして翌朝のワンショット.

 かなり不機嫌です.一応記念撮影はしてるところが面白くてけなげだけど,気分は最悪です.風邪を引いてしまったみたいやし.そして,このときの野宿が原因で僕は蓄膿になってしまうのでした.あぁ,うらめしの納沙布岬.
 僕の後ろには日の丸(僕の頭から生えているのではないですよ.),そしてジャージのポケットから出ている白い紐は寝袋の紐です.あぁ,今見てもそのときの苦しさがよみがえってくる.

 皆さんあまり無理な野宿は危険です.お金があったら安全な宿に泊まりましょう.ほんと,雨風がしのげるってことのすばらしさを身にしみて感じました.(この後,函館の駅の構内で寝た時に早速実感した.宿に泊まるという学習はしなかったが.)

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